Japanese
English
方法と装置
ポーラログラフ法—特に心筋内酸素濃度の変動について
Polarograph.
関 清
1
,
山根 至二
1
,
宮下 英夫
1
,
渡辺 滋堯
1
K. Seki
1
1東京大学田坂内科
1Dept. of Internal Medicine, University of Tokyo.
pp.685-690
発行日 1961年10月15日
Published Date 1961/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201026
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I.まえがき
臓器循環研究の重要性は,いまさらいうまでもないが,その臓器の機能を理解するにあたつて,しばしば測定される流量というものは,あくまでもその機能をみるにあたつて間接的方法たるをまぬがれないことは当然である。冠循環においてもまたしかりで,流入血流量は確かにその機能と相関を有するとはいえ,究極的に求め得るのはそのSupplyと機能との相関である。しかるに心筋の代謝はSupplyとConsumptionとの差として表現されるものである点に従来の方法論の一つの弱点があるといえよう。幸に心筋においてはその機能状態の一つの指標として心電図が容易に描記できるので,もし心筋代謝状態を察知できれば心電図との相関をもとめることは興昧深い問題となろう。ここに従来と異なつた方法としてPolaro—graph法の適応を検討する価値があると思われる。Polarograph法は微小固定白金電極を用いて生体組織内の酸素濃度を記録する方法であつて1942年既にDavis及びBrink1)によつて報告された。本法については多数の報告があり,わが国でも1952年望月氏2)3)の発表以来用いられており,われわれも数年来,脳循環4)5),末梢循環6)7)8)9)等に広く用いており,二三の紹介を行つたが,本稿ではわれわれが3年来心筋に対して本法を用いた経験を中心として紹介する事にしたい。
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