Japanese
English
特集 温泉療法
外科領域における温泉療法
Clinical Significance of Blaneotherapy in Surgery.
辻 秀男
1
Hideo Tsuji
1
1大分健康管理協会
1Oita Health Center.
キーワード:
温泉地療法
,
外科治療
,
術後合併症
Keyword:
温泉地療法
,
外科治療
,
術後合併症
pp.575-579
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106100
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はじめに
温泉療法とは何,については他のところでも触れられると思うが,ここでも簡単に筆者の考えを述べておきたい.
温泉はその物理的・化学的性質によって淡水とは明らかに異なる生物学的作用を示すが,温泉療法はたんに温泉にはいることだけを言うのではない.温泉地における計画的な運動や気候変化がもたらす転地療法効果,さらには肉体的精神的弛緩作用などを総合的に利用するものであり,温泉療法と言うよりは温泉地療法と言うのがより適切と思われる.この療法の本質は刺激療法であり,これによって生体の適応機能を訓練しようとするものである.すなわち広い意味での医学的リハビリテーションと言える.
外科領域では,温泉療法の適応疾患として創傷,関節拘縮,腰痛など運動器の疼痛性疾患などが挙げられてきている.これらは温泉水の温熱や水力学的作用を局所的に利用しようとするものである.これに対して上に述べた温泉地療法の概念による温泉療法は,外科治療の対象となっている患者の全身状態を改善しようとするもので,その目的は外科治療の安全性を高めることである.
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