Japanese
English
装置と方法
左心室局所心筋機能測定のたあの左室圧—壁厚ループ法
Left Ventricular Pressure-Wall Thickness Loop. A Method for the Measurement of Left Ventricular Regional Myocardial Function
立木 楷
1
,
中村 隆
1
Kai Tsuiki
1
,
Takashi Nakamura
1
1山形大学第1内科
1The First Department of Internal Medicine, Yamagata University School of Medicine
pp.403-407
発行日 1977年5月15日
Published Date 1977/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203048
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心筋は張力の発生と短縮を周期的にくり返し,その結果として高められた左室内腔圧が身体に必要な酸素化血液の全身への拍出にあずかる。左室壁を構成する心筋の一部の機能が低下する際にはtotalとしての左室ポンプ機能は諸々の代償機構の作動によって,かなり正常に保たれると考えられる1)。諸種心疾患で予後を判定しあるいは手術的治療法を考慮するに当っては左室ポンプ能ではなく,心筋の機能的状態を知ることがessentialである2)と考えられる所以である。
今日,臨床的にきわめて大きな重要性をもつ虚血性心疾患では,通常心筋機能の異常は局在性に出現し3),その局所的な心筋機能障害の広がり(範囲)とその程度(重症度)によってはpower failureの発症に連る4)ことを考えれば,これら心筋の機能障害を診断することの重要性は明らかである。従来,この目的の為にはsegment lengthの測定5,6),あるいはendocardial silhouetteの測定7)が用いられた。このうち臨床の場で応用がより容易である後者にあっては,心筋の動きを直接的に観察していない点が欠点として指摘されうる。心室壁こそ心筋のLength-Tension関係を測定すべき場所である8)。
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