Japanese
English
綜説
人工心臓の研究の現状と問題点
Current status of research and development on total artificial heart replacement
渥美 和彦
1
,
藤正 巖
1
,
井街 宏
1
,
西坂 剛
1
,
真野 勇
1
,
大道 久
1
,
岩井 矩成
1
,
河野 明正
1
Kazuhiko Atsumi
1
1東京大学医学部医用電子研究施設
1Institute for Medical Electronics, Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.101-108
発行日 1977年2月15日
Published Date 1977/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203007
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自然心臓を完全に置換する人工心臓の構想は,1930年頃より発表されているが,本格的にその研究が始められたのが,1958年米国のCleveland ClinicのW.J. KolffおよびT.Akutsu1)(阿久津哲造)らによってである。実験当初は,犬の実験で1時間あまりの生存をえたにすぎなかったが,その後,着々と実験がすすめられ,1972年頃より仔牛に人工心臓を植えこんで,10日間の生存例をえてから,急速に生存成績が向上するようになった。最近,Cleveland ClinicのY.Nose4)(能勢之彦)らは,仔牛の145日間の生存例をえたが,3カ月以上の生存例をもつ施設が,Utah大学2),Berlin大学3),東大とつづき,長期生存に関する多くの基礎的データが収集され,医学の夢としか考えなかった人工心臓の臨床応用が現実の問題として,その可能性が検討されようとしている。
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