Japanese
English
綜説
補助心臓の臨床応用の現況と問題点
Present status and problems about clinical applications of circulatory assist devices
佐藤 尚
1
,
藤正 巌
1
,
井街 宏
1
,
渥美 和彦
1
Naoshi Sato
1
,
Iwao Fujimasa
1
,
Hiroshi Imachi
1
,
Kazuhiko Atsumi
1
1東京大学医学部医用電子研究施設
1Institute for Medical Electronics, Univ. of Tokyo
pp.112-122
発行日 1980年2月15日
Published Date 1980/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203510
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重篤な心不全,特に開心術後低心拍出症候群で薬物治療の効果が認められない場合は機械的循環補助が必要である。近年,大動脈内バルーンポンピング(IABP)の技術の発達はその臨床使用を日常的なものとしたが,IABPにより補えるのは心仕事量の約20%程度1,2)とされており,それ以上の心不全に対しては補助心臓を使用した左心もしくは両心バイパスによる一時的な心機能の代行が必要となる。1971年DeBakey3)による補助心臓の臨床応用が報告されて以来,欧米ではすでに数十例にのぼる臨床使用症例が報告され,その成績は決して満足すべきものではない。しかし他の方法による救命は不可能であっただけに少数ながら生存症例を残している意義は重大なものである。一方,本邦では通常の体外循環回路を利用した補助循環使用の報告は数多くなされているが,補助心臓の臨床使用症例は報告されていない。
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