Japanese
English
綜説
肺内蛋白代謝—肺サーファクタント・アポ蛋白の代謝を中心として
Protein Metabolism in Lung
沢田 英夫
1
Hideo Sawada
1
1東海大学医学部内科
1Dept. of Int. Med., Tokai Univ. School of Med.
pp.96-100
発行日 1977年2月15日
Published Date 1977/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203006
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肺内代謝および生化学の研究の歴史は比較的新しいものである。肺は単なるガス交換の道具と考えられていたが,肺の換気力学的動態に肺の代謝が関与し,肺内分泌が生存に必須であることが広く理解されるようになったのは,約10年前のことである。更に,血中の種々の血管作動物質,ホルモン等が肺血管を通過する過程で,さまざまの変化をうける事が,徐々に明らかにされ,肺内代謝の問題はにわかに注目をあびるようになったのである。
肺内蛋白代謝もその一例であるが,特に肺サーファクタントの研究に伴って発展しつつあると言うことができる。すなわち,肺胞被覆層には表面活性脂質(特に隣脂質)以外に,ある種の蛋白質および糖蛋白質の存在することが証明され,更に,肺サーファクタント自身が脂質・蛋白質複合体を形成していることが明らかとなるにつれ,脂質代謝と共に蛋白質の肺内代謝も注目されるようになった。
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