Japanese
English
方法と装置
植込式心臓ペースメーカ
Implantable Cardiac Pacemaker.
須磨 幸蔵
1
,
浅野 献一
1
,
藤森 義蔵
1
,
渥美 和彦
2
,
内山 明彦
3
,
戸川 達男
4
Kozo Suma
1
,
Kenichi Asano
1
,
Yoshizo Fujimori
1
,
Kazuhiko Atsumi
2
,
Akihiko Uchiyama
3
,
Tatsuo Togawa
4
1東京大学医学部木本外科教室
2東京大学医学部医用電子研究施設
3早稲田大学理工学部電気通信学科
4東京大学工学部南雲研究室
1Dept. of Surgery, Faculty of Medicine, Univ. of Tokyo.
2Medical Electronics Research Laboratory, Faculty of Medicine, Univ. of Tokyo.
3Dept. of Electric Communication Engineering, Waseda University.
4Dept. of Applied Physics, Faculty of Engineering, Univ. of Tokyo.
pp.873-883
発行日 1964年12月15日
Published Date 1964/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201386
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はじめに
房室間の刺激伝導路の杜絶によつて生じる房室ブロックは,冠動脈硬化,ヂギタリス中毒,心臓手術の合併症などで起り,徐脈による活動力の減退,Adams-Stokes発作および心不全を招来して爾後の生存期間を著しく短縮させる1)。心臓ペースメーカは,このような房室ブロックに対して,直接心室筋に電気刺激を与えて心拍数を正常にもどし,Adams Stokes発作および心不全の防止を行なう装置であるが,最近トランジスタなどの出現によつて小型軽量化され,体内に埋没されうるようになつた。従つて,これによる治療をうけた患者は,単に病状の改善だけでなく,社会生活への復帰も可能となつたのである。従来より,房室ブロックの治療にはIsuprelなどによる薬物療法が用いられているが,確実に奏効するといえない。心臓ペースメーカによる治療は,外科的侵襲を伴なうため,現在のところとるべき最後の手段であるとしても,最も確実かつ速効的な効果をあげるものとして,内外において次第に普及しつつある。
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