REVIEW & PREVIEW
人工心臓の現状と展望
絹川 弘一郎
1
1東京大学大学院医学系研究科循環器内科学
pp.158-161
発行日 2012年1月10日
Published Date 2012/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105755
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最近の動向
2011年はまさに補助人工心臓元年というべき年になった.2010年まで実際に使用可能な補助人工心臓は体外式拍動流ポンプであるTOYOBO(現在のNIPRO VAS)しか存在せず,多くの患者はそのため退院できず,移植までの長期間入院継続して待機しなければならなかった.植え込み型補助人工心臓2機種が2011年4月より保険償還され,実臨床現場で使用可能となったことにより,そのような患者にとって退院可能となり自宅での待機はもとより,就労しつつ移植まで待機可能となったことは誠に喜ばしい.
この2機種は図1に示すようにどちらも遠心ポンプ型であり,いわゆる定常流または連続流ポンプというものである.また,どちらも国産であり,心尖部脱血・上行大動脈送血は同じである.
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