Japanese
English
講座
O2解離曲線
Some Physiological Aspects of O2 Dissociation Curve
大塚 洋久
1
Hirohisa Otsuka
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
1Department of Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.685-690
発行日 1969年8月15日
Published Date 1969/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202055
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
O2, CO2のガス交換の計算には解離曲線が関係しているので,ノモグラムを使って数値計算しなくてはならない。それには膨大な計算が要求されるので,最近ではdigital computerを利用するうごきがみられるようになった。
コンピューターを利用するにはノモグラムをそのまま記憶させるよりも,いくつかの基本的な関係式を記憶させ,それから直接計算させる方が効率的である。これらの関係式はヘモグロビンや炭酸緩衡系などの化学的性質をあらわし,数十年前から知られていたものであるが,コンピューターが利用されるようになってこれまでとはちがった立場から注目されるようになった。
本稿ではとくにO2解離曲線を数式で表現する問題について過去の業績を整理して考案を加えた。ヘモグロビンの化学的性質についての研究はいちじるしい進歩をしめしているので,まずその一端を紹介し,ついで全血のO2解離曲線とガス交換理論への応用に言及した。全血のO2解離曲線については現在なお難問が山積しており,本稿もこの方面では問題提起の域を出ていないことはおことわりしておかなくてはならない。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.