Japanese
English
特集 肺機能検査による病変部位診断の可能性
ガス洗い出し曲線
Nitrogen Gas Washout Curves
国枝 武義
1
Takeyoshi Kunieda
1
1国立循環器病センター内科
1Department of Medicine, National Cardiovascular Center
pp.581-587
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901266
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ガス洗い出し曲線とは何か
肺機能検査の専門医は別として,ガス洗い出し曲線がどんなもので,またどんな意義を有するものか,はっきりした認識を持つ臨床医は少ない.ガス洗い出し曲線とは,100%O2を吸入して肺内に存在するN2を希釈して洗い出す検査法である.呼気のN2濃度をほぼ瞬間的に記録して分析する.迅速N2分析器あるいは質量分析器が用いられる.100%O2を1回吸入して呼出する1回呼吸法と100%O2を何回も吸入する多呼吸法がある.それぞれ検出される肺の病変部位は異なる.何回も吸入するといっても,はいた呼気を再吸入する再呼吸ではなくて,吸入気は常に100%O2である.このような呼吸法を開放回路式呼吸法1)という.本法は一般に,肺内のN2を洗い出すことから,N2洗い出し法,あるいは100%O2を吸入することからO2テストといわれる.
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