呼と循ゼミナール
血液ガスと呼吸(3)—Pco2による呼吸刺激
本田 良行
1
1千葉大学生理学
pp.18
発行日 1977年1月15日
Published Date 1977/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202998
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前回にも触れたように,CO2は強力な呼吸刺激作用を有するから,その作用機序については重要な論議が多い。
末梢の化学受容器の生理機序を発見したHeymansらは,CO2を含めて血液ガスによる呼吸刺激はすべて,これらの受容器を介して呼吸中枢に伝えられるとした。しかし,SchmidtとComroeは,末梢化学受容器の除神経をした動物でCO2を吸入させると,前より多少落ちるが,なお強力な換気昂進の起ることを見出した。このことは,多くの研究者によって確認された。従って,CO2による呼吸刺激の一部は末梢化学受容器を介するが,大部分は中枢性であることは一致した意見と言えよう。
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