機器性能の試験法 血液ガス測定装置の性能確認試験法・2
PO2,PCO2
福永 壽晴
1
1金沢医科大学臨床病理学教室
pp.501-508
発行日 1999年5月1日
Published Date 1999/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903786
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はじめに
生命維持のために必須な呼吸の状態,すなわち,肺におけるガス交換機能は動脈血の酸素分圧(PO2)および炭酸ガス分圧(PCO2)を測定することにより評価される1〜3).また,PCO2はpHとともに酸-塩基平衡障害の評価にも重要な指標となっている.血液ガスは緊急時に測定されることが多く,その結果は直ちに治療に反映される.したがって,これらの測定装置の測定精度を確保することは極めて重要となる.電極法によるPO2およびPCO2の測定は前号でも述べたように,高度のエレクトロニクス技術の導入によりブラックボックス化されており,結果に誤差の混入があっても容易に発見できないのが現状である.
今回はpHに続き,PO2とPCO2(いずれも電極法)における装置の概略および特性や性能について解説し,誤差の混入と発見,精度の維持と評価について検討する.
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