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Kokyu to Junkan Volume 24, Issue 12 （December 1976）

呼吸と循環 24巻12号（1976年12月発行）

Japanese English

講座

僧帽弁逸脱症候群 Mitral valve prolapse syndrome 折田泰彦 ¹ , 平田経雄 ² Yasuhiko Orita ¹ , Tsuneo Hirata ² ¹九州大学医学部循環器内科 ²九州大学中央放射線部 ¹Institute of angiocardiology and cardiovascular clinic Kyushu University School of Medicine ²Department of Radiology Kyushu University Hospital pp.1035-1044

発行日 1976年12月15日 Published Date 1976/12/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202988

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　僧帽弁逸脱症候群は，その特異な心音所見（midlate systolic clicklate systolic murmur）や，不整脈や下壁虚血を思わせる心電図所見の故に多くの関心を集めて来た。auscultatoryelectrocardiographic syndrome^1）と言われた所以である。

　収縮中期クリック（以下MSCと略す）は当初は心外性のもの，収縮後期雑音（以下LSMと略す）は無害性と見なされていた。しかしReid^2）がMSCの僧帽弁主来説，LSMの僧帽弁閉鎖不全説を提唱して以来，この仮説は心血管造影^3〜7），心腔内心音医^8.9），手術^10），剖検所見^11.12）などによって裏付けられ，Barlow^4）らによりシネアンジオグラフィーにて僧帽弁の逸脱（以下prolapseと略す）が見出されるに及んで，これら一連の所見を呈する疾患が一つの新しい症候群であることが明らかになった。