増刊号 Common Disease 200の治療戦略
循環器疾患
僧帽弁逸脱症候群
別府 慎太郎
1
1大阪大学医学部保健学科医用物理学
pp.54-55
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903982
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疾患概念と病態
弁膜症の疾患体系は近年変化し,従来,大多数を占めたリウマチ性弁膜症は著しく減少し,代わって非リウマチ性のものが増加してきた.その中でも僧帽弁逸脱症は現在の成人の弁膜症で最も頻度の高いもので,全成人のおおむね4%であるといわれる.
病理学的には弁尖部への粘液様変化が主体をなし,弁肥厚,膨隆,腱索の延長,細痩化がみられる.このような組織変化に基づき,弁接合面の狭小化や,さらには腱索断裂による僧帽弁逆流,脆弱組織に対する病原体侵入による感染性心内膜炎などを合併する.
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