増刊号 診断基準とその使い方
I.循環器
3.僧帽弁逸脱症候群
羽田 勝征
1
1JR東京総合病院・循環器内科
pp.1680-1681
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221860
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■疾患概念と疫学1〜3)
本症候群は僧帽弁閉鎖不全の主たる原因として,また,狭心症と鑑別すべき疾患の1つとして,さらには自律神経障害との関連の上で神経循環無力症(NCA)とオーバーラップする疾患概念として注目を集めている.僧帽弁,ないしその一部が収縮期に左房に向かって「正常域」を越えて逸脱する(prolapse)形態学的異常を有する症候群に対して用いられる.
1963年〜68年にかけてBarlow,Crileyらにより心音,左室造影所見から観察されたものである.1970年ShahらによるMモード法,1974年坂本らによる断層法の報告を踏まえ,今日では超音波検査にて診断される疾患単位として確立されている.
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