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特集 冠不全
冠不全の心電図
Electrocardiograms in coronary insufficiency
山田 和生
1
,
岡本 登
2
Kazuo Yamada
1
,
Noboru Okamoto
2
1名古屋大学環境医学研究所
2愛知県総合保健センター
1The Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya Univ.
2Aichi Prefectural Center of Health Care
pp.865-874
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202962
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WHOは1962年に虚血性心疾患を,①労作性狭心症,②中間型狭心症,③心筋硬塞④無症状性虚血性心疾患に分類した1)。1974年WHOのモノグラフ2)は,①労作性狭心症,②不安定狭心症(unstable angina),③急性心筋硬塞,④突然死,⑤急性冠不全(acute coronary insufficiency)の5群に修正分類している。不安定狭心症は労作性狭心症が最近発症し発作の程度が強く頻度が多いか,古くからの狭心症が僅かの労作や安静時にも誘発され,硬塞への移行のおそれが大きい場合と定義している。"急性冠不全"も不安定狭心症の一型に含まれる。"急性冠不全"は適当な用語ではないが従来の中間型狭心症に相当し,時には心電図上急性心筋虚血を示唆する一過性ST-T変化を意味することもある。American Heart Associationの冠動脈疾患に対する報告書3)も従来の中間型狭心症をunstable anginaに含み定義づけている。
心筋の虚血に伴ない脱分極や再分極過程に電気生理学的な種々の変化が現われ,対応する心電図にはQRS群ST-T波,U波に特徴的な異常が認められる。すなわち主として異常Q波と虚血性ST-T変化および陰性U波の出現である。
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