Japanese
English
特集 冠不全
冠不全と不整脈
Electrophysiological basis of arrhythmias during coronary insufficiency
飯沼 宏之
1
,
加藤 和三
1
Hiroyuki Iinuma
1
,
Kazuzo Kato
1
1心臓血管研究所
1The Cardiovascular Institute
pp.875-883
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202963
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冠不全状態,即ち心筋虚血時に不整脈が生じやすいことは急性心筋硬塞や異型狭心症の発作中にしばしば重篤な心室性不整脈がみられることから周知である。実験的にも冠動脈の狭窄閉塞により心室性期外収縮が頻発し,ついには心室頻拍から心室細動へ移行することが観察される。そのような不整脈の発生機序の解明はまだ十分とはいえないが,近年微小電極法の応用によりいくつかの新しい知見が報告されている1,2)。不整脈一般の場合に比しかなり立ち遅れていることは否めないにしても少なくともその糸口はえられたとみなすことができると思われる。そこで本稿では心筋虚血時の不整脈の発生機序について我々の成績をまじえながら最近の研究成績を紹介してみたい。また不整脈時にはそれに伴う血行力学的な変化から,心筋の酸素需給関係に破綻をきたし冠不全を生じることも日常しばしば経験するところで,かかる面でも考察を加えたい。
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