症例 心電図のよみ方(6)
冠硬化心電図
難波 和
1
,
廓 由起枝
1
1阪大内科
pp.873-876
発行日 1966年6月10日
Published Date 1966/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201358
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症例
症例1 K. I. 56歳.男
半年前から,労作時に約5分間持続する前胸部絞扼感を訴えており、安静により緩解していた。血圧120/88mmHg,血清Cholesterol 200mg/dl,安静時のE. C. G. は,Tv4がやや低いほかに、とくに異常を認めないので,一応single two steptestを行なつたところ負荷直後に,STはII,aVL,aVF,V4,V5で下降しTはI,II,aVL,V4〜V6で二相性(-,+)となつた。ST,Tの変化だけではなく,PTaの部分がII,aVF,V4〜V6で下降し,心房,心室ともに冠不全状態にあることがわかる。20分後には,いずれの変化も消失し安静時のECGに戻つた。Intensain(450mg/日)を投与したところ,2週間後には,安静時のECGで,TV4はTV5,V6とほぼ同じ高さになり,double two steptestによつてもまつたく変化を示さないようになつた。
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