今月の主題 心不全の動向
心不全と臓器相関
心不全時の冠循環
加藤 和三
1
,
相澤 忠範
1
Kazuzo KATO
1
,
Tadanori AIZAWA
1
1心臓血管研究所
pp.215-217
発行日 1981年2月10日
Published Date 1981/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217031
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冠循環障害すなわち冠不全の結果生じる心筋虚血が心不全の原因となることは,臨床的にも実験的にもよく知られている.その代表的な例はいうまでもなく心筋梗塞であるが,狭心症またはいわゆる無痛性虚血性心疾患で心不全をきたすことも稀でない.ところが逆に心不全時に冠循環がどのような影響をうけるかは,意外なことにあまりわかっていない.以前から不全心では心筋は酸素欠乏状態にあるといわれているものの,その成り立ちや意義は不明のまま放置されてきた.そこで本稿ではそのような心不全時の冠循環について考察してみることとするが,これまでの報告はきわめて少なく,しかも誌面の関係もあってその概略を記述するにとどめることを予めおことわりしておきたい.
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