呼と循ゼミナール
伝導系におけるgating mechanism
中田 八洲郎
1
1順天堂大学内科循環器
pp.754
発行日 1976年9月15日
Published Date 1976/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202947
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一般に正常心筋線維においては,不応期は一旦脱分極を起した細胞の再分極の終了をもって終るvoltage-dependentなものであり伝導系各部位における不応期の長短はその部における活動電位の持続時間と相関している。換言すれば,活動電位の持続時間が最大の部分における不応期はやはり最大であり,Myerburgらは伝導系におけるこの最大の活動電位持続(不応期最長)を有する部分を"gate"と名付けた。すなわち彼らのいうgating mechanismとは早期興奮を起させた場合,その連結期の短縮に伴い連結期がgateにおける活動電位(不応期)の持続より短くなった場合,そこで伝導の途絶が起るというものであり,このgateはプルキンエ細胞が一般心筋に終る点より約2〜3mm中枢側に存在するとしている。すなわち房室伝導系各部位における活動電位の持続はヒス束から末梢のプルキンエ線維といくに従って長くなり上記の部分で最大となり,この部分をすぎると逆にプルキンエ線維,心筋細胞と末梢にいくに従って短縮するという。このような不応期はfrequency-dependentでありrateが増加すれば不応期は短縮するが,その変化率は伝導系各部により異なり必ずしもparallelではない。
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