Vocabulary
Windlass mechanism
木原 匠
1
,
窪田 誠
1
1東京慈恵会医科大学整形外科
pp.252-252
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_252
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足部は体のなかで地面に接する唯一の部位として重要である.さまざまな路面に適応し,歩行による衝撃を吸収する「柔軟性」と,体の重さ・歩行による衝撃を支えるための「固定性」という二つの要素を同時に満たすことが足部には要求される.この「固定性」を満たすために,足部にはwindlass mechanism(WM)が存在している1).WMは1954年にHicksが最初に提唱した理論2)で,この機構には足底腱膜が関与している3).足底腱膜は中足趾節(MTP)関節を挾んで,踵骨隆起と基節骨基部付近を連結している線維束である.MTP関節が背屈するとその部分で足底腱膜が巻き取られるが,長さが一定であるため踵骨と中足骨頭部の距離が短くなる必要があり,その結果として内側縦アーチの上昇が起こる(図1).また荷重がかかった状態では,アーチの緊張により足部の剛性が高まり,さらに弓を引き絞るように足底に力を蓄積して歩行時の推進力をもたらすとされている2).
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