巻頭言
心電図上のQT延長・異常TU波の出現
増山 善明
1
1和歌山県立医科大学循環器内科
pp.747
発行日 1976年9月15日
Published Date 1976/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202945
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臨床心電図学上みられる波形の変化には,今日なお電気生理学上,説明できない多くの点がある。しかし臨床心電図学の知見の進歩は,心筋生理学の発展に大きく寄与している。
著明なU波の増大とT波の平低化,そのためのT-U波の融合と,それによる見掛け上のQT延長は低カリウム血症心電図としてよく知られている。原発性アルドステロン症や周期性四肢麻痺が屡々心電図所見の異常から診断されることもある。また低カルシウム血症によるST部の延長を主としたQT延長もよく知られている。ところが血清電解質に異常なく,著明なU波,見掛け上のQT延長を示す場合に屡々遭遇する。
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