呼と循ゼミナール
心臓性ショック(II)—心臓周辺の低圧系伸展受容器反射の関与(その2)
井島 宏
1
,
堀 原一
1
1筑波大学臨床医学系外科
pp.672
発行日 1976年8月15日
Published Date 1976/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202935
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前号で述べたように,低圧系伸展受容器への刺激は,末梢血管抵抗を減少させる可能性がある。これを証明したのが,以下に述べる著者らの2つの実験である。
実験Iは,体外循環により,肺循環(右心房から左心室まで)と体循環(上行大動脈から上・下大静脈まで)とを完全に分離し,それぞれを別々のrotary pumpで灌流し,右心房から肺血管床を通して左心室までのすべての低圧系の圧を同時に上昇させた場合の体循環における総末梢血管抵抗の変化を,実験II (図1)は,両心室からventing tubeにより脱血し,venting tubeを別々に狭窄することによって右心室圧ならびに肺血流量の調節と,左心室圧の調節を行ない,右心系,肺血管床,左心房の圧の変化を最小限にとどめ,左心室圧のみを急激に上昇させた場合の体循環における総末梢血管抵抗の変化を検討する目的で行なったものである。両実験回路とも,体循環に対しては大動脈血流量をrotary pumpにより一定とした。
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