装置と方法
Magnetocardiogram
真島 三郎
1
,
春見 建一
1
Saburo Mashima
1
,
Kenichi Harumi
1
1東京大学第2内科
12nd Dept. of Int. Med., Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.213-217
発行日 1976年3月15日
Published Date 1976/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202877
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magnetocardiogramは心臓の活動に伴って微弱な磁場が発生するのを検出,記録するものである。心電図electrocardiograrnに対応して訳出すれば心磁図となる。心臓の活動に電気現象が伴うことはよく知られ,これを記録した心電図はすでに広く応用されている。すなわち心臓の活動に伴なって生体内では一定の電流が流れており,電流のある所には必ず磁場を生ずる筈である。しかしここに発生する磁場ならびにその変動はきわめて微弱なものであり,普通の方法ではなかなか検出できない。表1は各種の磁場の強さを比較したもので1),心臓によるものはきわめて小さく,特に地磁気その他の周囲の各種の電気装置による磁場の中にあって,これと識別して取り出すことが困難であることが想定される。
電場と磁場との相互作用の点からすれば心臓による電流は周波数成分が低く,従来むしろ準定常的として扱われている。すなわち磁場の変動も小さくて電流の受けるinductiveな影響も無視され,取扱いが簡単化しているわけである。この扱いは充分な近似を以て正しいと考えられるが,一方磁場自体を検出して分析しようという試みは1960年代初期から試みられており2,3),心電図から得られない新しい情報が得られることが期待された。
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