呼と循ゼミナール
心室細動と受攻期
丹治 康浩
1
,
堀 原一
2
1東京女子医科大学理論外科
2筑波大学臨床医学系外科
pp.252
発行日 1976年3月15日
Published Date 1976/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202883
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心臓のある特定の時相に与えられた刺激が容易に心室細動を発生させることは,かなり以前より知られていたが,それを最初に報告したのはDeBoer1)であった。その後,その時相と細動発生との関係に注目し研究が続けられ,1940年Wiggers and Wegria2,3)らは詳細な研究を行ない,心室細動の発生しやすい時相を受攻期と名づけた。そしてこの時相は心臓の拡張期の後半のかなりの部分をしめ,単発パルスで細動を容易に発生させることができ,その受攻期は正常心臓にも存在していると述べている。その後受攻期と相対不応期,また心電図T波との関係についての研究はあるが,はっきりしたデータは少ない。
著者らは興奮性回復曲線を描くことによって,受攻期と相対不応期との関係を明らかにしようと細胞外刺激による方法で行なってきたが,その結果の一部をここで紹介する。
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