Japanese
English
症例
重複大動脈弓の1例
A Case of Double Aortic Arch
春見 建一
1
,
垣東 徹
1
,
広田 喜代一
2
Kenichi Harumi
1
,
Toru Kakito
1
,
Kiyoichi Hirota
2
1東京大学医学部上田内科
2東京大学病理学教室
1Medical Clinic of Ueda, University of Tokyo, Faculty of Medicine
2Department of Pathology, University of Tokyo Faculty of Medicine
pp.867-874
発行日 1959年9月15日
Published Date 1959/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200817
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I.緒言
重複大動脈弓1)は大動脈弓の形成異常の一型であり1737年Hommelの第1例23)以来今日迄約90例以上が報告されている。元来死後剖検にて偶然発見されることが多く単に病理学的興味を持たれるにすぎない疾患であつたが,その食道気管の圧迫症状に対し,1945年Gross6)の手術成功以来心臓血管外科の進歩と共に本症は注目されている。併し我国に於ては現在までに手術成功例を1例見た以外には殆んどその報告例を見ることはない27)。我々は成人まで無症状に過し慢性糸球体腎炎にて死亡し病理解剖により重複大動脈弓を発見された例を経験したのでここに報告する。
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