巻頭言
Re-entry 雑感
土肥 豊
1
1埼玉医科大学内科
pp.187
発行日 1976年3月15日
Published Date 1976/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202872
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浅学の筆者が,この巻頭に一文を書くなどあまりにもおこがましい限りであるが,筆者自身の励ましのためにもと思い平素の考えなどを思いつくままに記して責を果す次第である。
Re-entry,とりわけreciprocal beatという言葉程筆者の郷愁をさそい,同時にまた今もって不思議な魅力を感じさせるものはない。古く1913年Minesがカエルの心房と心室が交互に収縮をくりかえすリズムに対して与えたこの名称は,White (1915,1921), Drury (1924)の症例をへてScherf&Shoskoffの実験的作成および房室伝導系における縦方向の機能的解離という想定にすすみ,さらにMoe (1956)1)による詳細な研究およびその成果としてのdual pathwayの証明へと発展して行ったことは衆知の通りである。土肥一郎博士と共に筆者らも犬を用いた実験によって多少の知見を得た(1958)。
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