呼と循ゼミナール
肺胞マクロファージと肺胞表面活性物質—(非呼吸性肺機能Ⅱ)
長野 準
1
1国立療養所南福岡病院
pp.118
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202863
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肺の受動的,機械的な非呼吸性の機能として古くから知られているものに,次のようなものがある。まずfilterの機能として肺血管の分岐様式は,凝集した赤血球や白血球,フィブリン,脂肪などを節にかけ,大循環でのそれらの物質による栓塞を防いである。また血液のreservoirの役目を,肺毛細血管の特徴的な網の目様構造と静脈側のわずかではあるが300ml程度の血液の増減とにより巧みになしている。さらに肺には,換気による体温のそう失(350cal/日),水分のそう失(250〜300ml/日),腸で作られる水素の排泄(50〜150 ml日),病的な場合でいえば糖尿病におけるアセトンの排出などの排泄作用がある。最近になって肺には,活発な物質代謝による分泌作用および清浄機構があることが解ってきた。肺生理活性物質については前号ですでに述べた。
最近話題になり解明への努力がなされているものに,肺胞マクロファージおよび肺胞表面活性物質がある。macrophageは,組織特異性があり,骨髄由来のmono-cyteから供給されるmononuclear phagocyteが主体をなしている。
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