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講座
133Xeを用いた定量的局所肺機能検査
Regional pulmonary function test with Xe-133
長谷川 鎮雄
1
,
木村 敬二郎
2
Sizuo Hasegawa
1
,
Keiziro Kimura
2
1筑波大学臨床医学系呼吸器科
2千葉大学医学部肺研内科
1Dept. of Respiratory Dis., Inst. of Clinical Med. University of Tsukuba
2Dept. of Int. Med. Pulmonary Cancer Res. CHIBA University
pp.1057-1067
発行日 1975年12月15日
Published Date 1975/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202841
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133Xeによる肺の局所的機能検査には,1955年のKnippingi)らの研究に始まる長い歴史がある。当時は,空気に133Xe混合し,体外からの計測によって,局所的肺機能を定性的に分析したが,定量的解析は行なわれなかった。1960年,Dyson2),West3)〜5)らによって15O2,あるいはC15O2の応用がはじめられ,肺内の局所的換気血流について,一連の重要な生理学的知見が得られ,同時に,臨床への応用もこころみられたが,15O2の半減期が,きわめて短時間であり,サイクロトロンの設備を必要としたため,臨床検査法としての普及はみられなかった。1961年,Ball6)らは,ふたたび133Xeに着目し,これを用いて局所的換気血流分布の定量的解析をこころみた。133Xeは,半減期5.27日の物理的に不活性な気体で,37℃で,O2の3倍,CO2の1/7の溶解度を示し,それが放出するβ線は,組織に吸収されるが,0.030MeVのX線,0.081 MeVのγ線は,体外計測に利用され,低エネルギーのため防御が容易である。Ba11らの研究は,臨床応用へと発展し,今日の133Xeによる局所的肺機能検査の基礎を築いた。
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