話題
頸動脈小体の活動機序に関するWinderの説—(Symposium"acid-base homeostasis of brain extracellular fluid"の話題から)
本田 良行
1
1千葉大学医学部生理学教室
pp.504
発行日 1975年6月15日
Published Date 1975/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202775
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本年3月17〜18日に西ドイツのBochum市でHans Loeschoke教授の主催で上述のシンポジウムが開催された。主題の口演は,筆者が座長をつとめたとき,Ox-ford大学のTorrance博士が行い,特に感銘をうけたので紹介したい。
1974年,Winderは頸動脈小体の興奮機序は,酸素欠乏に由来する乳酸などによるというacidity theoryを発表した。その後の研究により,頸動脈小体は非常に血流に富み動静脈間のO2含有量の差がほとんどなくて乳酸などの蓄積が起らないことがLeusenなどによって確定された。従ってWinderの説は省みられなくなっていた。
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