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特集 知っておきたい遺伝学的検査と遺伝外来ABC
《遺伝子変異による耳鼻咽喉科疾患》
頸動脈小体腫瘍
Carotid body tumor
志賀 清人
1
Kiyoto Shiga
1
1岩手医科大学医学部頭頸部外科学科
pp.660-663
発行日 2018年7月20日
Published Date 2018/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201784
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Point
●頸動脈小体腫瘍(CBT)は病理学的には傍神経節腫であり,腹腔内の副腎髄質に発症する褐色細胞腫と同一である。
●CBTはさまざまな遺伝子変異を伴うことが多く,また褐色細胞腫も同様なことから,総じて遺伝性褐色細胞腫・傍神経節腫症候群(HPPS)と呼ばれる。
●HPPSの患者数は,従来考えられていた数よりもはるかに多いことが指摘されており,日本頸動脈小体腫瘍研究会(JCBTRG)では,日本におけるCBTの現状について調査を行っている。
●治療は手術摘出が第一選択であり,若年者ではなるべく早い手術摘出が勧められる。高齢者では,増大速度が遅く,良性腫瘍が大半を占めることから,経過観察も可能である。
●家族例のあるHPPSでは傍神経節腫が多発する場合があること,両側同時にCBTが認められる場合には迷走神経傍神経節腫や褐色細胞腫との合併もあることなどから,定期的な画像診断による経過観察が勧められる。
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