Japanese
English
綜説
麻酔と心機能
Anesthesia and the performance of the heart
菅井 直介
1
Naosuke Sugai
1
1東京大学医学部麻酔科
1Dept. of Anesthesiology, Univ. of Tokyo School of Med.
pp.480-488
発行日 1975年6月15日
Published Date 1975/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202771
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吸入麻酔薬は心筋の収縮性を抑制し,その作用は中枢神経への麻酔作用と同じように強力であると考えられている18)。しかし,生体の中にある心臓への効果を見ると,その抑制作用はいろいろな要素で修飾されてくる。特にエーテルやサイクロプロペインのように交感神経系の緊張をもたらす薬剤では,心臓への抑制効果もカテコールアミンによって拮抗される16)62)。また,麻酔中には呼吸の種類,血液ガスや酸塩基平衡の状態29),他に与えられた薬物の影響35)76)なども加わって来る。さらに心機能を心臓のポンプ作用として見るときには,前負荷である心室内圧,後負荷である体循環の血圧,肺動脈圧などへの麻酔薬の影響も考えなければならない77)。
麻酔と心機能については,多くの総説が書かれているが,初期の循環動態から心機能を推察しようとする試みからA.V.Hillの三要素による骨格筋モデル41)を使った心筋の収縮性の解析1)12)86)87)の試みに至っている29)31)63)64)77)84)85)。
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