巻頭言
心室収縮機能と心電図ST・T部分—心電図研究のひとつの進路
岡島 光治
1
1名古屋保健衛生大学内科
pp.479
発行日 1975年6月15日
Published Date 1975/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202770
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今世紀の冒頭,心電図法が導入されて以来,しばらくの間は記録法の制約もあって,心電図は主として不整脈診断の武器として用いられていた。その後,異常Q波,ST・T異常の存在に着目されて,心筋硬塞や心筋の異常の診断ができることがわかり,循環器診断法の中心的地位を心電図が占めるに至った。
不整脈に関しては,微小電極法,ヒス束心電図法,直流除細動法,人工ペースメーカ法などの導入により,この10年ばかりの間に大幅の進歩が見られた。一方,動物あるいは人間の心臓についての興奮伝播過程の探索,心外膜面マッピング,体表面マッピングなどの発展により,P波やQRS群についても,いろいろくわしいことが言えるようになった。
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