呼と循ゼミナール
慢性閉塞性肺疾患
原沢 道美
1
1東京大学医学部老年病学教室
pp.347
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202621
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近年いちじるしい都市の工業化に伴い,その成因に環境因子の役割が重視され,病態生理学的に呼気時における末梢気道の狭窄を特徴的な所見とし,しばしば廃疾や死因となるような肺疾患が増加している。これらの疾患は,その成因の細部がいまだ不明なこともあって,その共通とする疾患生理学的基盤から,慢性閉塞性肺疾患と総称されている。
慢性閉塞性肺疾患は,慢性のせき,たんがあり,発作性のあるいは持続性の息切れを伴うことも,また伴わないこともあるが,その原因に限局性肺疾患,広範な肺感染症,肺肉芽腫症または間質性肺炎,塵肺症,原発性の心血管疾患,胸郭異常,および神経症などが関与していないものと定義されている。
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