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病的肺のガス交換異常をきたす原因として,換気・血流比の不均等分布が重要視されているが,これの一つの要因として換気の不均等性の占める役割は大きいものと考えられる。この換気不均等性を定量的に表現することは,患者の診断や治療効果判定に必要であるが,いかなる指標を用いてどのように表現するかは定説がないようである。
Otisらにより提唱された動肺コンプライアンスの呼吸数依存性を指標とする方法は1),理論の上からも実際面からも優れたものと考えられる。他方,不活性ガスを用いた洗い出しおよび洗い込み曲線の分析もひろく用いられている指標である。とくにヘリウムについては,機能的残気量測定時に同時に実測できるので古くからヘリウム平衡時間として利用されてきた。しかし,日常の臨床で動肺コンプライアンスの呼吸数依存性やAaDO2その他の結果から,明らかに不均等換気の存在する例でも,ヘリウム平衡時間の延長がみられないものが少なからず見出される。そこで者者らは,ヘリウム平衡時間を規定する因子を定理的に分析し,かつこれら因子を実測して,動肺コンプライアンスの呼吸数依存性との関係を検討し,ヘリウム平衡時間の不均等換気の指標としての意義を吟味した。
He equilibration time (Teq) was evaluated as a quantitative measure of estimating unevenness of ventilation in 30 patients with chronic obst-ructive pulmonary disease.
Theoretical analysis of factors affecting Teq was first made. If one assumes that the lungs consist of n compartments which have each different time constant (RXC) and volume (VA), then
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