Japanese
English
綜説
シミュレーションによる肺のガス交換
Gas Exchange in the Lung by Simulation
諏訪 邦夫
1
Kunio Suwa
1
1東京大学医学部麻酔学教室
1Dept. of Anesthesiology, Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.996-1003
発行日 1973年11月15日
Published Date 1973/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202550
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シミュレーションは「現象の解析に際してその対象自体を用いず,本質は全く異るが,類似の性質をもっている"しかけ"を用いてその現象を解明すること」と定義できるだろう。これはオーソドックスな意味での理論と実験との中間に位置するものであるが,その適用される必然性としては第一に,系が複雑な故に解析的な理論がたてられず,第二に,系の規模が大きく,また測定手段などの故もあって実験が時間的経済的に困難である,という二点があげられよう。
生理学や医学一般にはまさにこうした事情があてはまり,したがってシミュレーションの応用範囲はきわめてひろい。呼吸生理の分野においても,肺循環は一般の循環生理の手法の適用からモデル構成の比較的すすんでいる分野であり,一方,換気力学はそもそもの基礎理論に物理学の色彩がこい故に解析的な理論化がすすんでおり,これを発展させたモデルも数多く提出されている。
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