Japanese
English
綜説
心機能に関する諸指標の現状
Parameters of Cardiac Function
沖野 遥
1
Haruka Okino
1
1東海大学医学部準備室
1Tokai University
pp.1005-1010
発行日 1973年11月15日
Published Date 1973/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202551
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Ⅰ.歴史的背景
心機能分析の歴史と沿革をみると,血液循環に関する考えは古くPergamonのGalenら以来W. Harveyを経て現在に至っている。中でも1773年にS. Hales牧師が出版したHaemastaticksという著書の中にヒト,牛,馬,犬などの分時拍出量,脈拍数,大動脈断面積などの定量計測の結果が示されている(図1)。この表左より3列目第1段のヒトの分時拍出量4.37lbは1.98l/min8.74lbは3.96l/minで,18世紀にこれらの妥当な値が既に知られていたとは測定法も含めて全く驚異に値する。さらにHalesは心拍出ごとに大動脈がふくらみ,このふくらんだ血液量が拡張期に末梢へ流れると述べており,これはWindkessel説そのものといえる。Halesより古く1669年にR. Lowerは臨床的に左心と右心の障害の病像を記載している。
18世紀当時にスイスのバーゼルに理想流体の水力学者Bernouilleが偉大な業績を発表しているが,この考えの血行力学への応用は更に一世紀後のPoiseuilleに至るまで実現しなかった。
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