解説
HFPPV (II)—ガス交換と換気力学
諏訪 邦夫
1
Kunio Suwa
1
1東京大学医学部麻酔学教室
1Dept. of Anesthesiology, Univ. of Tokyo
pp.829-834
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203819
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第二部では,HFPPVの呼吸生理学的な意義,特に死腔よりも小さな一回換気量で肺胞換気がおこりうるのは何故か,何故A-aDo2が小さくなるのか,同じ「高頻度」といっても1Hz (1分間60回)と15Hz (1分間900回)とはどう異るか,この二つの周波数の間にはいわゆる肺の「共振点」とされる3Hzが狭まれているが,その両側では換気力学がどうかわるのか,といった問題を,主として力学(流体力学および振動系の力学)の眼でみていきたい。
HFPPVをそういう観点から考察した報告は全くない,といっていいすぎではないであろう。ただ幸いにして物理学や呼吸生理学の知識と論理を用いて種々の所見を解釈説明していくことはできる。第二部はいわばそうした筆者の解釈を提示するものであり,かなり独断的な部分のあることをお許しねがいたい。
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