特集 呼吸生理の諸問題
肺のガス交換
諏訪 邦夫
1
,
宮崎 正夫
2
1東京大学医学部麻酔学教室
2京都府立医科大学麻酔学教室
pp.19-20
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203491
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肺ガス交換のセッションは合計4題で,うち3題が麻酔学教室からの発表であり,麻酔の領域における肺ガス交換の重要性,関心の高さが伺われた。
神戸大学麻酔の丸川征四郎先生の発表は,吸入酸素濃度(FIO2)を種々にかえた場合の肺の酸素摂取効率の悪化を動物実験により検討したもので,「FIO2変動がPAO2/PaO2およびQS/QTに及ぼす影響」という題である。この発表は結果そのものと同時に,指標として何が妥当かという議論にも興味がもたれた。従来この面で最もひろく用いられているA-aDO2という指標は,FIO2が0.2から1まで変化したときに,A-aDO2は健康的な肺の場合でも10以下から100以上と大きく変化する性質があり,FIO2をかえるような状況ではあまり好ましい指標ではない。
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