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Bedside Teaching
心臓外科における自家輸血と血液稀釈の方法
Methods of Autologous Transfusion and Profound Hemodilution in Cardiac Surgery
吉川 秀康
1
Hideyasu Yoshikawa
1
1東京大学医学部麻酔科
1Dept. of Anesthesiology, Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.565-568
発行日 1973年6月15日
Published Date 1973/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202505
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最近,アメリカの一部の病院で,開心術の時,患者の血液を採血して保存し,人工心肺の終了とともに,この血液を患者にもどす自家輸血が応用され,よい成績をあげている。この方法によれば,人工心肺の操作中は,大量に稀釈された血液が体内・外を循環し,出血による赤血球の損失や,体外循環により破壊される血球成分の量が少ないという利点がある。さらに,当節,容易には準備し難い新鮮血を多量に消費することもなく,凝固因子の保存により,術中の出血も少ないことが,臨床的に観察されている1)。
心臓外科において,術前に患者より採血して,これを術後にもどす自家輸血の方法は,すでに1957年にDodrillにより提唱されている2)が,その後,この方法が盛んに用いられているという報告はない。
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