Japanese
English
綜説
各種心疾患における肺胞壁の変化
Morphological Changes of the Alveolar Wall in Various Heart Diseases
相原 薫
1
,
金杉 義衛
1
,
斎藤 友巳
1
,
中村 進一
1
,
鈴木 克哉
1
,
関口 守衛
2
,
窪田 すなお
2
Kaoru Aihara
1
,
Yoshie Kanasugi
1
,
Tomomi Saito
1
,
Shinichi Nakamura
1
,
Katsuya Suzuki
1
,
Morie Sekiguchi
2
,
Sunao Kubota
2
1日本医科大学病理学教室
2東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所研究部
1Department of Pathology, Nippon Medical School
2The Heart Institute, Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.497-511
発行日 1973年6月15日
Published Date 1973/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202496
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近年,心臓の直視下手術の活発な施行とそれにともなう早期診断技術の改善とともに,めざましい治癒率の向上をみるに至った。このような各種心疾患のうち,わけても肺高血症をともなう場合,手術予後が必ずしもよくないことがしられている(BucciおよびCook1),新津2))。したがって,術前術後の臨床生理学的検査は極めて重要であるとみなされるに至った。僧帽弁狭窄症の場合の肺血管の病変の程度と術後予後の予測には,HeathおよびEdwardsの分類8)11)が広く容認されており,このⅠ〜Ⅲ度では術後著しい血行動態の改善をみるとされている。さらに文献的に心疾患時の肺組織の形態学的変化と臨床病理学的な所見を対比した研究には,光顕レベルでの,Parker23),Larrabee13),Goyette14),Goodale15),Adams16)ら以後岸本17),蟹田18)らの報告がみられ,1960年代にいたり,浅野17),岡村18),Mcgonigle26),山口27),三瀬28),Jordan,19),Jaques20)伊東ら,および著者らの共同研究者の一員である土屋22)による電顕的な詳細な報告がみられるようになった。しかしながら,形態学的には血管壁の肥厚,間質の線維化を基調とする著明な変化が認められるとされているが,その成因および肺機能不全との間には必らずしも一定の見解がえられているとはいいがたい現状である。
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