消化器がん診療の最前線 適切な診療を行うためのエッセンス よりよい診療を行うために
各種支持療法の変化
長瀬 通隆
1
,
近藤 千紘
1名古屋第一赤十字病院 化学療法内科
キーワード:
嘔吐
,
抗腫瘍剤
,
消化器腫瘍
,
診断物質と治療物質の遊出
,
制吐剤
,
末梢神経系疾患
,
診療ガイドライン
,
服薬管理
,
好中球減少症-発熱性
,
骨髄抑制
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Antiemetics
,
Digestive System Neoplasms
,
Extravasation of Diagnostic and Therapeutic Materials
,
Peripheral Nervous System Diseases
,
Vomiting
,
Practice Guidelines as Topic
,
Medication Therapy Management
,
Febrile Neutropenia
pp.639-644
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015009008
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化学療法の場は,入院から外来に移行してきている.化学療法に伴うさまざまな有害事象に対して各種のガイドラインが策定され,日常診療の一助となっている.化学療法の嘔吐対策は,基本的には5HT3受容体拮抗制吐薬とNK1受容体拮抗薬,ステロイドの投与を行う.催吐性のリスクにより,制吐薬のレジメンは異なる.骨髄抑制で留意すべき有害事象は,発熱性好中球減少症(FN)である.FNに対しては,抗菌薬投与やG-CSF製剤で対応すべきである.FNのリスク評価にはMASCCスコアが有用である.化学療法の蓄積毒性の一つに末梢神経障害があげられる.末梢神経障害は自覚症状しかない.化学療法による末梢神経障害に対する根本的な治療法は,休薬しかない.化学療法による末梢神経障害性疼痛には,duloxetineがある程度有効である.アントラサイクリン系薬剤の血管外漏出にdexrazoxaneが使用可能となった.
©Nankodo Co., Ltd., 2014