印象記
第20回日本麻酔学会総会から
高折 益彦
1
1川崎医科大学麻酔科
pp.512
発行日 1973年6月15日
Published Date 1973/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202497
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第20回日本麻酔学会総会は初夏を思わせる暖かさの岡山市で,3月31日より3日にわたり催された。会長小坂二度見氏(岡大)は一般演題申込みを最少限に絞ったため,多くの演題につき発表の機会が失なわれたと謝られたが,それでも発表演題110題に及び,これに会長講演,宿題報告2題,特別講演1題,招聘講演2題,シンポジューム,パネルディスカッション計4題があり,朝8時半より夜9時まで強行軍で行なわれた。しかも午前中の一般講演は連続して行なわれたためコーヒーを飲む暇もなかった。
開会式に引続き会長講演"急性腎不全"がなされたが,腎の解剖,生理(特に体液調節ホルモンを中心に),病理に始まり人工腎臓の臨床に至る膨大な内容のものであった。続いて宿題報告として森岡氏(熊大)が"麻酔からみた静脈系"について講演された。"麻酔から……"という主題には必ずしも当っているとは思えなかったが,超音波血流計,プレチスモグラムにより多年にわたり研究されて来た氏の静脈系についての成績から,氏は静脈還流について"tissue compartment theory"なる概念を提唱された。
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