Japanese
English
Bedside Teaching
慢性肺気腫
Chronic Pulmonary Emphysema
大崎 饒
1
Yutaka Osaki
1
1北海道大学医学部第一内科学教室
11st Department of Internal Medicine, School of Medicine, Hokkaido University
pp.449-458
発行日 1973年5月15日
Published Date 1973/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202492
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肺気腫(pulmonary emphysema)は,古くより知られている疾病であり,多くの病理学者,臨床家によってその疾患概念の確立に努力が払われてきた。Laennecによって始めて"emphysema"の病態が明らかにされたが,この語は"膨れ上った状態"を意味する。剖検時に開胸しても肺が正常人のごとく収縮しないで膨隆した状態に止っている所見から命名された。肺の容積の増加をきたす病的機序は種々あるが,現在広く認められている肺気腫の定義としては,"呼吸細気管支以下の拡張か破壊による正常以上の容積の増加"であり,特に破壊を示す型が臨床的に問題となる(表1)。また,病理的な検索法で小葉中心性(centrilobular)および汎小葉性(panlobular)肺気腫に大別されている。この元来病理学的診断名である肺気腫の臨床診断は困難なことが多いので,臨床医学上大きな問題が提起されている。
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