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特集 血行力学的にみた大動脈弁膜症
左室シネアンギオよりみた大動脈弁膜症の血行動態
Hemodynamic Changes in Aortic Valvular Diseases Studied by the Left Ventricular Cine-angiocardiography
宮田 捷信
1
Katsunobu Miyata
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所
1The Heart Institute of Japan. Tokyo Women's Medical College
pp.323-333
発行日 1973年4月15日
Published Date 1973/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202482
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心血管造影法は心血管系の解剖学的位置や形態の変化を知る最も有力な方法として利用されてきたが,Dodgeら1)22,Bunnellら3)Champauら4)により左心室容積および容積変化等を比較的明確に計測できることが示されてから,血行力学的心機能の指標としても広く応用されるようになった。1951年Rushmerら5)により犬の左心室収縮機序および容積変化の詳細な経時的観察にcineangiographyが用いられた。Greeneら6), Chatte—rjeeら23), Kennedyら29), Sandlerら43)は臨床的にこれを用い左心室容積の計測を試みFick法や色素稀釈法と比較検討し7),さらにこれらの組み合わせにより逆流量,逆流率などを算出した。
左心室造影法を応用した大動脈弁膜症の左心機能の検索は,僧帽弁膜症での左室造影のそれと比較して,行なわれることが少ない。その理由として従来大動脈弁閉鎖不全症の血管造影は,大部分大動脈弁上部の造影であり8〜10),大動脈弁狭窄症では,逆行性に左心室にカテーテルの挿入が困難な場合が多く,また左室造影による造影剤の使用量の増加をさけるなどの理由が挙げられる。
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