特集 超音波検査の技術と臨床
Ⅲ.循環器
3.心血管疾患各論
1)弁膜症(2)大動脈弁膜症
添木 武
1
,
福田 信夫
1
Takeshi SOEKI
1
,
Nobuo FUKUDA
1
1国立善通寺病院循環器科・臨床研究部
pp.1351-1355
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904934
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大動脈弁狭窄症
1.成因診断
本症の原因は,先天性ではほとんどが二尖弁で,後天性では変性(硬化性)とリウマチ性である.若年者では二尖弁の可能性が高く,高齢者では後天性が多い.心エコー図で原因を特定するには,成因別の特徴を把握しておくことが大切である.二尖弁は短軸断面で弁尖数が2枚であることにより診断できるが,大きなほうの弁尖を2つに区切る線状のrapheを通常の接合線と誤認して三尖弁と判定しないように注意すべきである1).リウマチ性はほとんどが僧帽弁の器質的変化を伴い,弁尖の肥厚と交連部の強い癒合が特徴的である.変性(硬化)は加齢に伴う退行変性で,弁腹部の肥厚,硬化を起こし,さらに進行すると石灰化を生じる.この場合,交連部の癒合を伴わないのが特徴である.
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