増刊号 診断基準とその使い方
II.呼吸器
13.原発性肺高血圧症
栗山 喬之
1
,
角坂 育英
1
1千葉大学肺癌研究施設・内科
pp.1766-1768
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221887
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肺高血圧は血行動態面で肺動脈平均圧が正常上限を越えた状態をいう.若年者における安静時の肺動脈平均圧は13±4mmHgであるが,WHOの基準1)によれば肺動脈平均圧が25mmHgを超えた場合に肺高血圧が存在するとされており,わが国でも厚生省特定疾患原発性肺高血圧症調査研究班による診断基準2)で肺動脈平均圧が25mmHg以上のものを肺高血圧症としている.ただし,日常経験する慢性呼吸器疾患では安静時肺動脈平均圧が25mmHg以上を呈することは決して多くはなく,原発性肺高血圧症を除いた呼吸器疾患では,肺動脈平均圧が20mmHgを示せば肺高血圧症が存在するものと一般的には理解されている.
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