Japanese
English
ジュニアコース
検査の限界(Ⅴ)肺拡散能
Pulmonary Diffusing Capacity
大崎 饒
1
,
牧野 幹男
2
Yutaka Osaki
1
,
Mikio Makino
2
1北海道大学医学部第一内科
2北海道大学附属病院中央検査部
11st Department of Internal Medicine, Hokkaido University, School of Medicine
2Central Laboratory, Hokkaido University Hospital
pp.685-691
発行日 1972年8月15日
Published Date 1972/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202404
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
肺拡散に関する理論的基礎はKroghにより樹立され肺ガス交換現象の解明に新しい糸口をつけた。初め生理学者の興味に限られていた肺拡散能もその後多くの研究者の努力により現在では広く臨床的に用いられる検査法にまで発展した。これらの経過をみると大きく3時期に分けてみることができる。すなわち,第1には肺拡散能の理論の確立の時期であり,第2はその基礎理論の臨床応用についての種々の試みの時期であり,第3はえられた肺拡散能という一つの指標が示す意義に関する検討の時期である。しかしながら,これらはおのおの解決された問題として経過している訳でない。生体の現象の多くは極めて複雑な過程を示しているがこの現象の物理的解明には複雑な現象の単純化,あるいはいくつかの仮定のもとで理論が展開される。肺拡散能もその例外ではない。これら理論に基づく臨床応用ではその妥当性,容易性,再現性が問題になるであろうし,また評価については臨床医学の進歩に伴う疾患概念の変遷とも絡み合ってくる問題も含むであろう。これらの問題点について今日広く行なわれているCOに関する肺拡散能検査,特にbreath-holding法を中心に記述したい。
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.