技術講座 生理
肺拡散能検査の注意点
大久保 輝男
1
1埼玉県立循環器・呼吸器病センター検査技術部
pp.653-658
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103239
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新しい知見
一酸化炭素(CO)を指標とする肺拡散能力(DLCO)は,元来肺胞毛細管膜でのガス拡散能を測定することを目的とした測定法であった.しかし,実際には肺毛細管血量や血漿から赤血球へのガスの移行速度,さらには換気血流比の不均等などによって影響を受けている.現在では,肺拡散能力は一酸化炭素が肺胞から肺毛細血管中のヘモグロビンに結合するまでの拡散輸送の容易さを測定していると考えられており,ヨーロッパではトランスファーファクター(TLCO)と呼ばれている.肺拡散能力は肺疾患の診断や気管支喘息と肺気腫の鑑別,肺胞出血と肺水腫の鑑別,間質性肺炎の診断や経過観察などに有用であり,臨床的に重要な検査法である.
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