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特集 呼吸機能の不均等分布
不均等換気のある場合の赤血球と肺胞気との接触時間の取扱いについて
A Proposal for Obtaining the Contact Time in Subjects with Unevenness of the Perfusion to Alveolar Gas Volume Ratio
望月 政司
1
,
福居 勝信
1
Masashi Mochizuki
1
,
Katsunobu Fukuori
1
1北海道大学応用電気研究所
1Institute of Applied Electricity, Hokkaido University
pp.669-674
発行日 1971年8月15日
Published Date 1971/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202294
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はじめに
COの拡散能力DLcoの値から赤血球が肺毛細管を通過する時間,接触時間を推定することはRoughton1)2)らによって提唱されてきている。が,その方法は肺内ガス量分市が不均等であるような被験者に用いることは困難であるということで,一般に拡散障害のある被験者では障害の程度を知るための接触時間の推定は困難であるかの印象が与えられている。著者3)4)らは酸素化ヘモグロビンO2HbのO2とCOとの置換反応をPcoのごく低い範囲内で研究し,それがRoughtonらの求めた速度より低い速度を示すことを明かにしてきており,また一方では,DLcoが心送血量Qと比例関係をもつはずであるあることを示唆してきている。RoughtonらのDLcoの取扱いでは肺胞膜での拡散速度はQと無関係のものと考えられていたが,COが赤血球内へ拡散し,内部のHbと結合する全体の反応過程を考える限りでは,肺胞膜も赤血球の近傍の面積に限局して考えねばならないので,望月は赤血球が肺胞膜の衣を被って肺胞ガス中を通過するモデルでこの過程の説明を試みている。実際に高橋7)らはbody plethysmographを用いて測定したN2Oの摂取速度と,肺胞N2O濃度の値から求めたQとDLcoの問に直線的な関係のあることを報告しており,また,この直線的な関係は従来多くの研究者8)〜15)によって得られているデータでも明らかである。
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